イギリス風景画の巨匠、ターナーの特別展が7/6よりモナコで開幕!
ターナー
グリマルディ・フォーラム・モナコとテート美術館が共催する特別展「ターナー、崇高な遺産(Turner, the Sublime Legacy)」が、7月6日よりグリマルディ・フォーラムのラヴェル・パビリオンで開催される。展覧会は、ジョセフ・マロード・ウィリアム・ターナー(1775-1851)の一連の重要な作品を展示するほか、近現代美術のトップアーティスト15人の作品も一堂に会す。 本展のコンセプトは、「18世紀崇高美学」。異なる世代間の対話を通じてターナーの風景画が現代に与えた影響を探り、このイギリス風景画の巨匠を新たな視点から理解するよう鑑賞者を導いていく。
ジョセフ・マロード・ウィリアム・ターナー, 《The Blue Rigi, Sunrise 1842》, Watercolour on paper, ©Tate
光の画家と呼ばれるジョセフ・マロード・ウィリアム・ターナーは1775年ロンドンで生まれた。幼少の頃から絵の才能を発揮し、14歳で見習いとしてロイヤル・アカデミーに入った。27歳に史上最年少でロイヤル・アカデミーの正会員となる。ターナーは光と色の研究に重点を置き、形を色に溶かす技法は後のフランス印象派の芸術家たちに大きな影響を与えた。彼の作品「The Fighting Temeraire(戦うテメレール)」は、2005 年に BBC によって「イギリス国内にある絵画の中で最も人気のある絵画」に選ばれた。
ジョセフ・マロード・ウィリアム・ターナー, 《Morning amongst the Coniston Fells, Cumberland, exhibited in 1798》, Oil paint on canvas, ©Tate
本展では、「18世紀崇高美学」というレンズを通してターナーを探求する。崇高なものという概念は、1757 年にエドマンド・バークによって出版された《崇高と美の観念の起原》に由来している。バークは「人は自分よりも大きなものに直面すると、崇高さの根源である魅惑と恐怖を抱くようになる。つまり、崇高さは魂に強く影響を与える感情である。」と主張した。崇高はターナーの風景画に完全に反映されています。彼の風景画は、自然界の激しい嵐や荒波の緊張感を捉えており、それによって見る者の興奮、恐怖、畏怖、驚きといった崇高な感情を呼び起こす。これがターナーの芸術の最大の特徴なのだ。
ジョセフ・マロード・ウィリアム・ターナー, 《Tivoli Tobias and the Angel》, c.1835, Oil paint on canvas, ©Tate
今回の展覧会作品の中には《Breakers on a Flat Beach》、《Three Seascapes》、《Morning amongst the Coniston Fells, Cumberland, exhibited》、《Tivoli: Tobias and the Angel》などテート美術館の所蔵作品約78点、また近現代芸術家作品30点が展示されます。キュレーターエリザベス・ブローク氏は「今回は、ターナーと他の近現代美術のトップアーティスト15人の作品も一堂に会す。例えばOlafur Elias son、Richard Long。異なる世代間の対話を通じてターナーの不朽の影響力をもっと知ってほしい。また見に来られる方に大自然を目にした時の違った観点より新しい思考を持つことが出来るよう期待している。」と述べている。
特別展「ターナー、崇高な遺産(Turner, the Sublime Legacy)」
会期:2024年7月6日(土)~9月1日(日)
会場:The Hall Ravel at the Grimaldi Forum Monaco -10, avenue Princesse Grace - 98000 Monaco