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グルベンキアン展 20世紀最も偉大な美術品収集家の私蔵品を覗く

欧州報道部 | パリ 2022/07/19 15:33
《Gulbenkian par lui-même : dans l’intimité d’un collectionneur》特別展
《Gulbenkian par lui-même : dans l’intimité d’un collectionneur》特別展
美術品収集家
グルベンキアン

2022年フランス──ポルトガルカルチャーフェスティバルに合わせ、パリのアルタニコレクションがグルベンキアン博物館に呼びかけ、20世紀最も偉大な美術品収集家の一人である「カルースト・グルベンキアン」の私蔵品を合同出展した。《Gulbenkian par lui-même : dans l’intimité d’un collectionneur》特別展は参観者をリードして収集家であるグルベンキアンの豊満さと多様性を垣間見ることができる。82点の私蔵品の中には、中世のベッドフォード・マスター《時祷書》やルネサンスのアルブレヒト・デューラーの《Canard sauvage mort( 死んだアヒル)》、フランスの著名なジュエリーデザイナーでアルブレヒト・デューラーの《Diadème coq(雄鶏の王冠)》なども収蔵されている。

 
René Lalique (1860-1945) Cockerel diadem / Paris, c. 1897–98 /René Lalique (1860-1945) Cockerel diadem(Diadème coq)/ Paris, c. 1897–98 / Gold, horn, amethyst / and enamel / 9 × 15 cm / Acquired directly from the artist in 1904 / Inv. 1208 / Fundation Calouste Gulbenkian, Lisbon – Museum Calouste Gulbenkian © Catarina Gomes Ferreira
 

カルースト・グルベンキアン(Calouste Gulbenkian)は1869年3月29日にアルメニア貴族の末裔としてユスキュダルに生を受けた。家族は石油事業に従事していた。1896年にアルメニア人の迫害が起こり、グルベンキアンと家族はトルコから逃げロンドンに定住し、1902にイギリス国民の身分を取得した。1907年にオランダのロイヤルシェルの主要株主になり、石油事業で巨万の富を築きあげた。彼が生涯で蒐集した芸術品のコレクションは6400点を超え、これらのコレクションは彼の遊歴や個人の品位の影響を受けており、権威のある専門家やトレーダーの間では長く複雑な交渉になることもある。彼は自分のコレクションに強い愛着を持ち、コレクションを自分の「子供」と呼んでいた。彼の亡き今、これらのコレクションはリスボンのカルースト・グルベンキアンに保管されている。

 
Book of Hours of Isabel of Brittany or Lamoignon Hours Paris, c. 1415–16Book of Hours of Isabel of Brittany or Lamoignon Hours Paris, c. 1415–16 / Belonged probably to Isabel of Brittany, Comtesse de Laval; Chrétien François de Lamoignon de Bâville; collection ofthe dukes of Newcastle (Clumber Park Library). Acquired by Calouste / Gulbenkian at the Clumber Park sale through L. Giraud-Badin, Sotheby’s, London, 21 June 1937
 

展示内容は、ジュエリー、18世紀の装飾芸術、ルネサンス手稿、中国磁器、日本漆器、イスラム織物等の珍品も含まれる。これらの展示品は、主に、愛好家やコレクター向けに慎重に管理された個人的コレクションである。これらはグルベンキアンの多様性、品質と品位、愛着を示している。館側は次にように述べた「今回の展覧でも特に見ごたえがあるのは露出の少ないアルブレヒト・デューラーの《死鴨》です。これは彼の中で最も美しい研究の一つであり、近代最初の静物画の一つです」

Albrecht Dürer (1471-1528) Dead Duck / Germany, c. 1502 (?) or c. 1512 (?) / Albrecht Dürer (1471-1528) Dead Duck(Canard sauvage mort) / Germany, c. 1502 (?) or c. 1512 (?) / Pen and brush, watercolour, opaque watercolour, black ink, outlining in graphite, gold heightening on parchment / 22.6 × 12.4 cm / Fundation Calouste Gulbenkian, Lisbon – Museum Calouste Gulbenkian © Catarina Gomes Ferreira
 

展覧の概念について企画のシルバ博士(Dr. Nuno Vassallo e Silva)は「私たちは5つの原則を選択しました。親密、貴重、工芸、出所の多様性と品物の希少性、これらからグルベンキアン展を構築しました。来場者が異なる展示エリアでこの5つのセオリーを見つけられ豊かで審美な体験を得られるようにしたいと考えています。」と語った。《Gulbenkian par lui-même : dans l’intimité d’un collectionneur》特展は2022年6月10日から10月2日までパリのHotel de la Marineのアルタニコレクションの3つのギャラリーで展開されてます。ご興味のある方は下記の情報を御覧ください。(https://www.thealthanicollection.com/fr/exhibitions

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