フランチェスコ・マリノ・ディ・テアナ 二十世紀最も偉大な巨大屋外彫刻家
巨大屋外彫刻家
1920年イタリア南部のテアーナという小さな町で生まれたフランチェスコ・マリノ・ディ・テアナ(Francesco Marino Di Teana)は二十世紀後期の最も重要な彫刻家の一人である。幼い頃から現場で見習いとして働いていた彼は、その現場のリーダーから一人前の建築士になりました。その後第二次世界大戦の最中、アルゼンチンのブエノスアイレスに移り住み、そこで美術学院に進み、1949年、国の芸術奨学金を獲得し名誉卒業している。1950年代初期までフランスに滞在して、そこで彼の偉大な芸術家としての人生が始まった。
ヨーロッパ最長の公共金属彫刻、フランス・パリ近郊に設置されたFontenay-sous-boisの作品「自由」(La Liberté)。©Claude Gaspari
フランチェスコ・マリノ・ディ・テアナは一人の集合哲学家であり、建築士、詩人など幅広い分野と数多の肩書を持つ芸術家で、完璧な比率を追求し、巨大な公共彫刻を用いて時空の範囲を越えるような、移りゆく都市の風景の中で変らない不動の現代性の永続を表現しました。現在、ヨーロッパには少なくとも50ヶ所以上の彫刻作品を展示できる公共のスペースがあります。例:1974年パリ・フランス憲兵総部の中には六尺もの大きさの彫刻が設置されました、他にも1990年フランスパリ近郊でFontenay-sous-boisが21メートルの巨大彫刻「自由」 (La Liberté)を設置しました、現在最も多くの作品が公共の空間で設置されている芸術家です。フランチェスコ・マリノ・ディ・テアナ氏が1963年、グラン・パレ内に設置した八基の噴水口を連結させた巨大噴水(幅16m、高さ7m)のインスタレーションは近年非常に有名であるグラン・パレのモニュメンタの先駆けとも言える作品です。
Francesco Marino Di TeanaとAlberto GIACOMETTI。©Archives Marino Di Teana
1962年第一回フランス工業彫刻大会でSAINT GOBAIN彫刻賞「最優秀賞」受賞時に審査員の一人で著名な彫刻家であるアルベルト・ジャコメッティ(Alberto GIACOMETTI)氏は「私はフランチェスコ・マリノ・ディ・テアナに一票を投じた、なぜなら私が思うに彼の構想とアイデアは最も明確であり本大会で最も抽象的でありながら、最も精巧な彫刻だ、それでいて感性に従っている。芸術と建築の二つの領域で私の印象に強烈に残ったのは彼のリズムと敏感な彼の視覚的要素だ。私達はこうも言えるだろう、一つの作品で最も人を感動させることができるのはラインの構成であると、彼の彫刻はまるでモンドリアンの絵画の構造のようだ。」
1976年、フランス国立パリ現代美術館開催Francesco Marino Di Teana個展。©Jérôme Ducrot
現在フランチェスコ・マリノ・ディ・テアナの作品はパリ市立近代美術館のみならず、エヴルー歴史博物館、サンテティエンヌ芸術産業博物館、パリ病院福祉事業局博物館、ショレ美術歴史博物館、モンベリアール城、野外彫刻美術館、ポー美術館、リヨン国立高等音楽院、Raymond Farbos現代芸術センター﹑ヴァル・ド・マルヌ現代美術館及ポンピドゥー・センター収蔵、の他パドヴァ市立博物館、 MUSMA現代彫刻美術館、Ixelles美術館、ヌーシャテル自然史博物館、ラ・ショー=ド=フォン美術館、市立美術館ミュンスター、近代美術館Moderne Galerie、ARoS オーフス美術館、及びサトル・サトウ・アート・ミュージアム、のいずれにもフランチェスコ・マリノ・ディ・テアナの作品が収蔵されています。