令和を代表する 偉大な大仏師── 向吉悠睦
向吉悠睦
向吉悠睦は令和を代表する非常に優れた大仏師であり、松久朋琳、松久宗琳の内弟子でもあります。向吉悠睦は主に仏像の彫刻と修復に力を入れており、千年の歴史をもつ大阪の大本山法楽寺や高野山の根本大塔、そして総本山の根来寺、中山寺など、これらの有名な寺院から特別に雇われているほど偉大な大仏師です。1991年、妻(日本では数少ない「截金工芸大師 ━ 中村佳睦」)と共にあさば仏教美術工房を創設し、積極的に仏像彫刻と文化を広めて来ました。向吉悠睦は今日に至るまで、二千体以上もの仏像彫刻を創り出し、一部の仏像は全国で著名な寺院に奉納され、その他多くの作品は寺院や博物館内に保存されており、度々世界中から称賛を得ています。
偉大な大仏師──向吉悠睦
向吉悠睦は1961年鹿児島で生まれ仏像彫刻師の三代目として、八歳から父親と共に彫刻を学びはじめました。1980年に高く評価されている大仏師松久朋琳、松久宗琳の内弟子となり、900年の歴史ある慶派── 写実彫刻の技法を受け継いで来ました。向吉悠睦の代表作「聖観音像」は、全高55センチメートルで、樹齢百年の木を数十年乾燥させた「檜木」を材料として使用しています。檜木は耐久性や防水性、そして心地良い香りがあり、天然の殺菌、虫に強い特性も兼ね備えているため、仏像彫刻に非常に適しており使用されています。この作品「聖観音像」は向吉悠睦が彫刻し、妻・中村佳睦が截金を施し、1993年京都府工芸産業技術で最高賞を獲得しました。これは向吉悠睦がはじめて受賞した作品として有名な作品です。
大仏師・向吉悠睦作品「聖観音」
截金は仏教彫刻の最終段階であり、仏像の荘厳さをより引き出させ、極めて精巧な日本の伝統技術です。截金は竹ばしを用いて金箔を取り出した後、平らに伸ばし、竹刀を用いて金箔を髪の毛のように細かい線状に切り出し、仏像に貼り付けていきます。金箔を貼る際には二つの筆を使用し、一つは金線を巻き上げ、もう一方は特別なのりに浸し、仏像の様々な模様を描いていきます。向吉悠睦の木彫仏像が金を纏っているのは、妻(「截金工芸大師── 中村佳睦」)によって描かれたためです。中村佳睦はもともと彫刻家として活動していましたが、1981年に松久宗琳から伝統的な截金の技法を学びました。彼女の作品は繊細且つきらびやかで、日本で数少ない截金工芸の非常に優れた芸術家です。1995年には日本工芸会から歴史的・芸術的に価値の高い工芸芸術家として認められました。
日本で有名な截金工芸作家── 中村佳睦
今日、日本には「仏師」と呼ばれる仏像彫刻師は僅か150人しかおらず、今後更に少なくなるのではないかと恐れられています。向吉悠睦は伝承され行く多くの仏像を創り出すことができることに感謝と幸福で満ち溢れており、今日の仏像彫刻を引っ張って行く存在として、運慶、快慶二人の大仏師の写実彫刻スタイル、慶派を守り従って行くこと、そしてその技術の真髄を次の世代に伝承し、より多くの人々に仏教芸術の奥深さを認知してもらうことを使命として活動しています。