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カオール、古代ローマ帝国で賞賛されたトップクラスワイン産地

欧州報道部 | カオール 2021/06/30 19:08
中世の町、ピュイ・レヴックはワインとして広く知られています。
中世の町、ピュイ・レヴックはワインとして広く知られています。
カオール
Cahors

フランス南西部の首都トゥールーズと比較すると、トゥールーズから100キロメートル以上離れた中世の都市カオールはフランス飲食文明の中心地でした。ここカオールに古代ローマ帝国で最も偉大なワインとされていた「Falerneファレルヌム」という意味の(すなわち「グラン・クリュのトップクラスワイン」)が有ります。また、付近にはチーズとフォアグラが豊富に生産されている食材生産地域ロカマドゥールや、フランス最古のトリュフ市生産地ラルバンクも有ります。中世フランスの食とワインの文明を探検したいのであれば、この中世の古都サンティアゴ巡礼路は絶対に欠かせないでしょう。
 

ロット川沿いの古都「カオール」。ロット川沿いの古都「カオール」。


カオールではじめに訪れたい場所、それは14世紀に建造されたヴァラントレ橋。ここは国連によって世界文化遺産に登録された中世の橋であるため、カオールの象徴と記号でもあり、そしてその下を流れるのは、かつてカオールの輝かしい中世の栄光を生み出したロット川です。ここから更に歩いて行くと、同じく世界文化遺産に登録されている有名な観光スポット、サンテチエンヌ大聖堂へ訪問することもできます。一方で、カオールの食材と農産物についてもっと知りたい場合は、大聖堂からそう遠くはないカオールの伝統的な市場にも行くことができます。そこではフランス西南の飲食に欠かせない全ての食材が堪能できます。そして、もしも実際にカオールのおいしい食事を味わいたいのであれば、伝統的な市場以外に、市庁舎前にある多くのレストランやビストロもとても理想的な選択です。おいしい食事を味わう時、同時に忘れてはならないのは、食事に添える当地のワインです。なぜなら、カオールワインはカオールが本当に誇りに思っているワインだからです。


カオール。

カオールのワインは古代ローマ時期まで遡り世界で最高品質として称賛されただけでなく、イギリス国王ヘンリー2世とアキテーヌ公爵家のアリエノールでさえ、婚礼の宴で御用達のワインとして選ばれていました。しかし、こんなにも良質なワイン生産地が今日に至るまでなぜあまり知られていなかったのでしょうか?その答えは、カオールワインの優位性がかつてボルドーワインの商業的利益に深刻な脅威を与えたからです。紀元13世紀初期、ボルドー港から輸出されるワインの50パーセント以上はカオール産でした。これにより、ボルドー人が政治計画を介して、イギリス国王ヘンリー3世がカオールへの課税引き上げを行いました。また、毎年12月25日前と厳しく制限されていますが、ボルドーワインのみボルドー港から海外に輸出することができます。そして、この非常に不公平な輸出入禁止令(ボルドー特権)は、フランス国王ルイ16世の時代まで500年近く続き廃止されました。これもカオールワインがあまり知られていない理由でもあります。
 

エリゼ宮宴会の御用達ドメーヌ「Clos Triguedinaクロ・トリゲディーナ」の七代目ジャン-リュック・バルデ氏。エリゼ宮宴会の御用達ドメーヌ「Clos Triguedinaクロ・トリゲディーナ」の七代目ジャン-リュック・バルデ氏。


そしてフランス大統領ポンピドゥーから非常に愛され、カオールワインの運命が逆転しました。ポンピドゥー時代にカオールはAOCとなっただけではなく、カオールワインはフランス大統領官邸エリゼ宮宴会の御用達ワインにも選ばれました。したがって、カオールの豊かな中世の歴史的遺跡を訪れる際は、カオール地方でマルベックが作った良質なワインを味わい、地元で有名なレストランを訪れてみてはいかかでしょうか。このような生活や食事体験を通して、まるで中世の時代に戻りエリゼ宮殿で食事を楽しんでいるかのような気分に浸ることができ、カオールの旅をより豊かにしてくれるでしょう。
 

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