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「たたら吹き」復興の道へ再燃 出雲大社の御神火と鉄の博物館

雲南市 2023/06/30 14:47
全国で唯一現存するたたら製鉄遺跡──「菅谷高殿 」
全国で唯一現存するたたら製鉄遺跡──「菅谷高殿 」
たたら吹き
田部家

「たたら吹き」とは1400年以上受け継がれてきた鋼鉄精錬技術であり、たたら吹きにより製造された玉鋼こそが日本刀の鋳造に不可欠な原料である。たたら吹きは大正時代に一度伝承が絶えるも、田部家の努力により、今日まで菅谷山内に全国で唯一現存する「高殿」で、出雲大社から「御神の火」を授けられ、その継承された火種はたたら吹き復興の道へ喜びの祝福を満ち溢れさせている。

 
菅谷たたら山内高殿、大型の製鉄炉菅谷たたら山内高殿、大型の製鉄炉
 

今日までの歴史資料を紐解くと、早くは《古事記》(712年)の中に「吹踏鞴(たたら)」の文字を見ることができる。その他にも《日本書記》(720年)には「姫蹈鞴五十鈴姫命(ひめたたらいすずひめのみこと)」と記されていることが確認できる。平成28年(2016)には文化庁が「出雲国たたら吹き風土記〜製鉄誕生1000年の歴史〜」として雲南市、奥出雲町、安来市とたたら吹きの関連を有形・無形文化財群に指定、日本文化遺産に認定された。

 
「玉鋼」 - 日本刀の鋳造に必要不可欠な素材である「玉鋼」 - 日本刀の鋳造に必要不可欠な素材である
 

出雲三大鉄師である雲南市吉田町の田部家,奧出雲町上阿井の櫻井家,同じく奧出雲町大谷の絲原家は「たたら吹き御三家」と呼ばれた。田部家は1707年から1906年までの間に鉄蔵、扶持蔵など21の蔵を建設しており、鉄とともに栄えた村であった証しともなっている。田部家の繁栄とともに、旧吉田村の中心部の町並みは「企業城下町」として栄えた。大正12年に作業を停止した「たたら製鉄」。田部家二十五代当家 田部長右衛門襲名後、2018年には出雲大社の「御神火」を賜与され、田部家のたたら吹きは再燃した。吉田町の再びの発展を願うばかりである。

 
高殿の横に立つ桂の巨木は、たたらの神様「金屋子神」が降り立ったご神木とされている高殿の横に立つ桂の巨木は、たたらの神様「金屋子神」が降り立ったご神木とされている
 

たなべたたらの里営業企画部 井上裕司部長は取材に対し、「2018年に我々は再び田部家のたたらの火を灯しました。我々はより多くの人に『たたら文化』の価値及び土地の魅力を伝えたいと考えております。」と語りました。現在、雲南市吉田町には全国で唯一現存する「高殿」があり、重要有形民俗文化財に指定されている。または歴史文化資料を豊富に所蔵する鉄の歴史博物館もあり、菅谷高殿の製鉄用具などの関連史料も保管・展示されており、たたら吹きや製鉄技術に関する史料が充実している博物館となっている。

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