「来者如帰」の料理哲学 魚一4代目── 吉村日出国さん
吉村日出国さん
明治34年の創業以来123年の歴史を誇る株式会社「魚一」。現在は松江市の料亭蓬莱吉日庵を4代目社長吉村日出国さんが経営しています。吉村日出国さんは料理に対し、「来者如帰」という料理哲学を貫き、一人一人のお客様にゆっくりと楽しんでいただきたいと考えております。初代吉村一が若槻礼次郎元首相に気に入られ、嫁ヶ島で晩餐会を開催したのも、このような料理へのこだわりがあったからです。
普段色々な国からのお客様が遠いところから松江市に来てくださり吉村日出国さんの料理を楽しまれる
「魚一」の初代吉村一の父は、元々は松江藩剣道指南役でしたが、明治維新後に武士の職を失いました。魚屋の見習いを経て、白潟豪商の援助を受けて魚屋の経営をし、最終的には料亭へと発展しました。4代目吉村日出国さん、現在123年の伝統を受け継いでいる。家業を継ぐために吉村日出国さんは大学を卒業してから親にお願いをし、老舗の厨房で修行を受けることから初めてその後老舗の料理長から学んだ。
魚一の料理は四季に対応する五行思想です
吉村日出国さんは「料理とは、理を料る。身土不二、不易流行、守破離、五つの味(五味)、五つの色(五色)、五つの調理法(五法)、五つの適度(五適)、五つの感覚(五感)」に則した献立作り」と話した。
その中で最も重要な料理哲学は、「来者如帰」という信念を持ってすべてのお客様をおもてなしすることです。そのため、吉村日出国さんは、お客様がどのような特別なご要望をお持ちであっても、できる限りお客様のご要望にお応えいたします。
吉村日出国さんの刀の技と陰陽ロジックの盛り合わせを重要視している
今後の日本料理について、吉村日出国さんは「日本料理は東洋思想にも影響を受け、そして、日本という独特の環境下(気候・風土・文化)で育まれ、世界にも稀な進化を遂げてきた料理だと思います。ただ、心配なのは日本料理人になりたいと思う若者が激減していることです。日本料理が廃れて壊滅してしまうことはないと思いますが、若手料理人を要請するための改革は必要だと思います。」と話した。