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コロナ後のフランスワイン情勢 贅沢化な芸術への道

欧州報道部 | パリ 2023/05/31 09:09
将来的には、多く品質が高いワインは芸術品のように珍しくなると考えられている
将来的には、多く品質が高いワインは芸術品のように珍しくなると考えられている
コロナ後の
フランスワイン情勢

フランスワインは長きに渡りセンスの象徴であり、世界のワイン消費市場の中でも指標となる重要な地位にある。しかし、コロナ禍を経て厳しい経済状況への挑戦と消費市場の縮小に向き合うことになった。その中でも価格を下げることなく価格上昇し、多くのドメーヌで計画的減産の現象が起こった。未来、このようなな異常な現象が常態化する恐れがある。それは、フランスワインが贅沢化の道に向かっているためであり、投資価値とコレクション価値がある芸術品に変えていくだろう。

 
コロナ禍により、フランスの葡萄園は小規模化と精緻化していく傾向があるコロナ禍により、フランスの葡萄園は小規模化と精緻化していく傾向がある
 

コロナ禍後のワインの発展傾向は総体構造に見ると2つの重要な要素と密接に結びつき、切り離すことはできない。一つがコロナ禍が生んだ不況、もう一つはロシア・ウクライナ情勢である。この二つの要素は全世界規模の経済的困難となった。フランスワインは上記の要素のほかにも極端な気候異常に打撃を受け、生産量の大幅な減少に繋がった。コロナ禍前の2017年とコロナ禍後の2021年がこの惨劇の何よりの証拠である。

 
極端気象の影響により、多くのワイナリーにより高い品質のワインを醸造できるようになった極端気象の影響により、多くのドメーヌにより高い品質のワインを醸造できるようになった
 

しかしながら、生産量の減少は品質の低下を意味するわけではない。逆にフランスの多くのドメーヌは2017年と2021年に風味、口当たり、ボディ構造に非常に優れた表現をした。一方で、もう一つの妙な現象としてフランスのドメーヌが毎年減少している。もちろん、ドメーヌの減少には極めて複雑な社会的原因がある。しかし、ドメーヌの減少がフランスワインの贅沢化を推し進めるもう一つの原因にもなっている。

 
古いワインの希少性もワインの芸術品化を加速させる傾向の要でもある古いワインの希少性もワインの芸術品化を加速させる傾向の要でもある
 

我々は近年オークション市場で多くのドメーヌの事業変更や消失によるワインの価格高騰を目にした。この現象は画家の死後、その画家の残した作品が次々と高額で売り出され続けていることと同様である。このような傾向の芸術品市場的現象がコロナ禍後のフランスワイン市場にも蔓延しているのだ。我々は未来のフランスワインがより高品質で素晴らしいものになるとともに、価格も上がり続けると予測している。我々は今ワインを芸術品にする斬新な時代を経歴している。

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