David CAPDEPON(デヴィッド・カプデポン):Mauzac(モーザック)の起源とLimoux(リムー)スパークリングワインの変遷について
ブドウ園の管理者
我々はブドウ品種Mauzacの起源はフランス南西部のタルヌ=エ=ガロンヌ県(Tarn et Garonne)にあるMeauzacという都市に起源があることを確認済みです(デヴィッド・カプデポン氏談)。このブドウ品種はその後ガイヤック(Gaillac)に広まり、フランス最古のスパークリングワイン産地であるLimouxにも伝播しました。そして世界最古のスパークリングワイン── Blanquette(ブランケット)スパークリングワインの卓越したブドウ品種となったのです。
サン=ティレール修道院(L'abbayede Saint-Hilaire)の僧侶たちの古くからの技術のおかげで、後世の私たちは「メトード・アンセストラル 」(Méthode Ancesstrale)という技術を習得することができました。歳月が経つにしたがい、この醸造技術も瓶の中で二次発酵する方法、つまり後の「メトード・シャンペノワーズ」(Méthode Champenoise)に改善されました。
Mauzacは一種の表現力というものを備えているブドウ品種で、スパークリングワインの醸造はもちろんのこと、優雅でスティルワインの醸造に用いることもできます。Mauzacを用いて醸造するスパークリングワインは通常、熟したリンゴの香りが立つのに対し、Mauzacを用いて醸造されるスティルワインは柑橘の風味が漂います。
時代の変遷とともに、現在の有機栽培を通じてMauzacはLimoux産地の最も代表的な古代ブドウ品種として眼を見張るような表現性が加わり、Limoux産地のスパークリングワインとスティルワインが革新的で高品質な味わいであることを徐々に世間に知らしめています。
David CAPDEPON(デヴィッド・カプデポン)
Limoux産地で最も早くからBlanquette(ブランケット)スパークリングワインを醸造したドメーヌの一つであるCAPDEPONファミリーの子孫で、現在は家族経営のブドウ園の管理者である。