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「島根から世界へ!」── 生誕150年石橋和訓展

島根県 2025/06/17 11:32
石橋和訓《美人読詩》1906年、島根県立美術館蔵 ©Shimane Art Museum
石橋和訓《美人読詩》1906年、島根県立美術館蔵 ©Shimane Art Museum
肖像畫家
石橋和訓

島根県立美術館は2026年3月6日より、「島根から世界へ!生誕150年石橋和訓展」(仮称)を開催する。島根県出身の肖像画家・石橋和訓(かずのり)(1876–1928)の代表作《美人読詩》をはじめ、「地方出身の画家がいかに世界に飛び出ていったのか」をテーマに、石橋の軌跡を紹介する。

 
石橋和訓《岡倉由三郎肖像》1928年、島根県立美術館蔵
石橋和訓《岡倉由三郎肖像》1928年、島根県立美術館蔵 ©Shimane Art Museum
 


石橋和訓は、島根県飯石郡西須佐村(現在の出雲市佐田町反辺)の農家に生まれた。幼少より画才に秀で、周囲の支援を受けながら研鑽を積んだ。1892年(明治25年)、松江へ赴き後藤魚州や堀櫟山に入門。翌年上京し、千家尊福男爵邸に書生として寄寓しながら、洋画家の本多錦吉郎や日本画家の瀧和亭のもとで学んだ。

明治後半にイギリスに渡り、ロンドンのロイヤル・アカデミーでJ.S.サージェントらに師事。伝統的な肖像画の技法を身につけ、《ものおもひ》《美人読詩》などの代表作を次々と生み出した。

 

石橋和訓《津田五一の肖像》1910年、島根県立美術館蔵石橋和訓《津田五一の肖像》1910年、島根県立美術館蔵 ©Shimane Art Museum
 

世界的に活躍した肖像画家として、石橋は大隈重信、犬養毅、後藤新平、渋沢栄一など、政財界の要人の肖像を数多く手がけた。その肖像画の特徴は、モデルの姿が浮かび上がるように背景を暗くし、容貌は性格まで表すかのように緻密に描写する一方で衣服や背景などは速く大まかに描くというものそのような緩急のある筆遣いは、石橋ならではの表現と評されている。

担当の柳原一徳学芸員は「島根の農村出身の才能ある少年が、周囲に助けられながら、松江、東京、英国と歩を進め、いかに人生を切り開いていったか、というストーリーは、地元の方々をはじめ、多くの人々に関心を持っていただけるのではないかと考えております。」と話す。

展示は2026年3月6日から6月8日まで。火曜休館(5月5日は臨時開館)。詳細は展覧会公式サイト(https://www.shimane-art-museum.jp/news/2025/000974.html

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