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オブジェの背後にある見えない現実を伝える 現代シュルレアリスムの巨匠フィリップ・ハート

欧州報道部 | パリ 2021/11/24 16:21
PsyoKiller, 2021, oil on canvas, H.120x L.120cm ©Philippe HUART
PsyoKiller, 2021, oil on canvas, H.120x L.120cm ©Philippe HUART
現代シュルレアリスムの巨匠
フィリップ・ハート

「私の創作の理念はオブジェの背後にある見えない現実を伝えること」— フィリップ・ハート

 

1953年にフランスで生まれた芸術家フィリップ・ハート(Philippe HUART)氏は、パリ国立高等美術学校を卒業した後にロック音楽のアルバムや書籍のカバーデザイナーとして活動していたが、1991年に芸術の創作に専念するべく決意を固めた。彼の創作のテーマは、いつもセールス広告や消費タイプの文化から生まれ、私達が感じることのない潜在意識に挑戦することを試みている。「客観的超現実」の角度を用いて、オブジェを積み重ねて拡大し、色のコントラストを引き上げることで、強烈な視覚効果により鑑賞者の感覚を刺激する。これらの形態は、すでに日常生活のオブジェというより一つの時代の「記号」である。
 

 
現代シュルレアリスムの巨匠フィリップ・ハート。©Galerie Loft Paris現代シュルレアリスムの巨匠フィリップ・ハート ©Galerie Loft Paris
 

近年、フィリップ・ハート(Philippe HUART)氏は数々の国際的に有名なギャラリーとコラボしている。例としてアニエス・ベー(Angès b)、マグダ・ダニス(Magda Danysz)、オリヴィエ・ウォルトマン(Olivier Waltman)、GKM等がある、頻繁にアメリカ、スウェーデン、ドイツ、フランス、韓国、香港の各地を巡り個展を開催したり大型の国際芸術博覧会に参加している。今年の夏にはフランスボルドー現代美術館が近年では最大のPhilippe HUART回顧展の開催を計画しており、最も代表的な80点にも上る作品が出展される。

 
Mort par nature, Intervention N1&N2, 2013, Oil on canvas, H.100xL.100cm
 

フィリップ・ハート(Philippe HUART)氏の最新のペインティングシリーズVERTIGE(眩暈)では覗き込むと、しばしば我々を眩暈とともに迷わせ、さらには客観的超現実の角度で言語化できない深層的な知覚を解釈させようとする。芸術家はいつも液体について並々ならぬ興味を抱く、水の流れは人をリラックスさせ、又はよく人を恐れさせる。この題材を多くの歳月を経て収集し研究してきた、大きな岩に登り波しぶきが揺れ動く瞬間を撮り、又はある朝に何気なくジュースをボウルに注いだ時に光の輪が反射して動く様を撮り、油絵を描き疲れた時は黒のチャコールペンシルに持ち換えて一筆一筆丹念に波の白黒と光と影を描く練習をした。
 

 
Ceruleum Vert Vertige, 2021, oil on canvas, H.200cm ©Galerie Loft Paris & Philippe HUART

Ceruleum Vert Vertige, 2021, oil on canvas, H.200cm ©Galerie Loft Paris & Philippe HUART
 

パリのLoftギャラリーでも今年初のPhilippe HUART個展を開催した、鑑賞者は揺れ動くさざ波と共に丸形のキャンパスへと無限に落ちていく、色彩と構図に驚嘆し、絶え間ない感覚は無音に転換され極致へと誘われる。各作品は鑑賞者の経験に基づき異なるイメージ空間を展開して、ハイパーリアリズムと抽象の間を絶え間なく混淆して我々の感覚神経は刺激され、目が眩み頭がふわふわするのと同時に魂も一種の解放を得ることができる。

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