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《吹きガラスで生命の直向きさを編む | ガラスアート造形家・田中英樹》

宮崎市 2021/10/20 18:48
宮崎市阿波岐原(あわきがはら)にあるガラス工房「arte labo (アルテラボ)」。
宮崎市阿波岐原(あわきがはら)にあるガラス工房「arte labo (アルテラボ)」。
ガラスアート造形家
田中英樹

ガラスアート造形家、田中英樹氏は1965年宮崎市に生まれる。学生時代にフランスのガラスアートに魅せられ、1994年黒木国昭氏のガラス工房グラスアート黒木にて20年間吹きガラスとアートについて学ぶ。さらに自由な創作を追い求めるため、2017年に工房を離れオリジナルのアートを創作するために活動する。現在、宮崎に株式会社 arte labo(アルテラボ)を起こし、自身の工房の窯で作品を作り続けている。田中英樹氏はガラスを媒体とした色の造形、ガラスの透明性を利用した創作を行っている。国内や海外の画廊や展覧会で現代ガラスアートとロマンティックをテーマにした個展も開いている。

 
ガラス造形工芸作家、田中英樹氏。ガラスアート造形家、田中英樹氏
 

田中英樹氏はパイロットの父の下に生まれ、田中英樹氏の父は天皇陛下から旭日章を受章している。幼い頃から父に自分の夢と自由を追い求めるようにと言われ、その言葉のとおり田中英樹氏は自らの成長過程の中でフランスのガラスアートに出会った際に、西洋の装飾と芸術の影響を吸収していった。その他にも田中英樹氏は特に「大正ロマン」という日本文化と西洋文化が融合した芸術ジャンルに魅了されている。田中英樹氏はインタビューの際に「芸術家でいるために『自分に気づく』、『自他に縛られない』、『自分の意識を体現する』これら全てが精神的な枷に縛られない自由な創作環境に必要である。非難や排斥、抑圧などは私の工芸品創作活動の道に進もうとした頃の初心を変えることはできない。私の芸術理念は私生活から着想を得ていて、生活を芸術化している。なので私はガラスの澄みきった透明さ、色鮮やかさを通して『光』と『時間』を捉えて、自身の生活感と織り交ぜながら簡潔に生命力溢れる作品として創り上げるのです。」と語りました。

 

作品 モザイクガラス「雅(みやび)」。
作品 モザイクガラス「雅(みやび)」
 

「発露」自身の生活感と芸術、田中英樹氏にとって創作活動に欠かせない部分であるといえる。2017年田中英樹氏独立後に続々と発表された「雅」、「花器」、「オブジェ プラチナ彩『宇宙』」と」「幻影~DYA DREAMS~」等のシリーズ作品。その中でも「雅」は田中英樹氏が最も早くから創作している独立後の創作作品である。田中英樹氏はガラスの熱割れ現象を応用した技法を使い、1300度の高温の焼入れ中のガラス原料を素早く氷水の中に浸すことで破裂したような効果を生みだします。田中英樹氏は「この『破裂』の効果は、心の中の束縛から抗い抜け出すことを表現していて、「殻を破る」強い意思を表している。」と語った。
 

 
田中英樹さん作飾皿 金彩 「幻影」〜DAY DREAMS〜。田中英樹さん作飾皿 金彩 「幻影」〜DAY DREAMS〜
 

作品「幻影~DYA DREAMS~」は、緑と青の光彩が渦まいて交錯する中で吹きガラスの気泡が移動する痕跡が、まるで広大な宇宙の無限の星空のような視覚効果を生みだしている。田中英樹氏は「この作品は私の自然に対する畏敬の念と、生活へ渇望、理想の世界の追求を発露し反映している。ガラスは太陽の光そのもので光と熱を象徴している、私の心の中の滾りを映し出し、旋回、足掻き、動揺、抗い、最後に綺麗な色を放出する、これは宇宙の進化のような感覚で、私は幻影を通して生活の中でそのような感覚を得るのです」と語った。

 

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