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縹繧と和文様 陶芸家・内田和秀さんの削りの世界

松江市 2026/07/22 19:25
内田さんの縹繧シリーズ作品
内田さんの縹繧シリーズ作品
陶芸家
内田和秀さん

伝統の奥深さを保ちつつ、現代の美意識にいかに応えるか――。各地の作家が創作活動を続ける中、島根県松江市出身の陶芸家・内田和秀さん(52)による「縹繧(ひょううん)」シリーズが注目されている。伝統的な和文様に青のグラデーション(縹繧)を組み合わせた、現代的な造形美が特徴だ。2021年に日本工芸会正会員に推挙された内田さんの取り組みは、地域工芸における新たな試みとして高く評価されている。

 
松江市出身の陶芸家・内田和秀さん松江市出身の陶芸家・内田和秀さん
 

創作の原点について、内田和秀さんは「高校生だった頃、家に柳楽泰久の志野茶盌があり、その茶碗にとても惹かれた……こんな器が作りたい、と思ったのが始まり」と振り返る。1996年、岡山県瀬戸内市へと赴き、備前焼作家の稲荷作さんに師事した。数日間にわたり徹夜で薪窯の火を見守る中、深夜の暗闇から夜明けへと移ろう静寂を深く体感したという。自然の律動と呼応するこの心象風景が、のちに「縹繧」シリーズを生み出す着想の源となった。

 
全体のフォルムを際立たせるため、削りの作業を重んじる全体のフォルムを際立たせるため、削りの作業を重んじる
 

作風の確立に向け、内田さんはとりわけ「削り込み」の作業に注力する。全体のフォルムを最重視する内田さんは、「「たくさん削り込むのでごまかそうと思えばいくらでもごまかせますが、全体のフォルムがかっこいい作品を作りたいです」と、作陶への思いを語る。
さらに、釉薬への探求も独自の表現を支えている。「釉薬には、たくさん粘土分が入ってます。あまりつるつるしないように少しざらつかせるようにしています。その方が光が当たった時、きれいに輝くため」と、その意図を明かした。
 

線の表現で和文様をあしらう線の表現で和文様をあしらう
 

伝統工芸と地域文化のつながりについて、内田さんに気負いはない。「私が制作するにあたり、あまり地域の文化的な背景などは意識しておりません。新しく斬新であっても、どこかに伝統を感じられる作品ができたらと思っています」と率直に語る。

今後の展望について、内田さんはこう言葉を結んだ。「今、また新たな表現の作品にも挑戦しています。続ける中で、また別な道が開けるかもしれないそうした作品を携えて、国内だけでなく海外でも個展を開催できたらと思います」

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