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滝で国際的に著名な国宝級日本画の巨匠・千住博

長野県 2021/08/02 14:05
24mの大作《Ryujin(龍神)Ⅰ・Ⅱ》千住博。Photo: Sundaram Tagore。
24mの大作《Ryujin(龍神)Ⅰ・Ⅱ》千住博。Photo: Sundaram Tagore。
千住博氏
国宝級日本画の巨匠
スケールの大きな滝と崖を描き、国際的に一目置かれる千住博氏。現在ではあまり取り入れられていない、千年の歴史を持つ岩絵具を用いた技法で創作されている巨匠です。シンプルな抽象表現と日本の伝統的な絵画技術を融合しており、作品は都市、砂漠、森林、火山、海などを題材として用いて、大自然の神秘的で閑かな境地を表現しています。千住博氏の作品は、ニューヨークのメトロポリタン美術館、ロサンゼルス現代美術館、サンフランシスコ・アジア美術館、ネルソン・アトキンス美術館、カナダのロイヤルオンタリオ博物館、日本の富山県立近代美術館などの展示館で収蔵されており、この他にも、安藤忠雄が設計した直島のベネッセハウスでは千住博氏の大きな二つの作品が収蔵されています。最近では、東京中央オークションで千住博氏の《ウォーターホール》が385万香港ドル(約6千500万円)の価格で落札されました。
 
千住博「フラットウォーター #9」。千住博「フラットウォーター #9」。Photo:軽井沢千住博美術館。

千住博氏は1985年に東京都で生まれ、東京芸術大学を卒業後、1987年に博士課程単位取得満期退学。研究制作東大買上。1989年にはオーストラリアで初の個展を開き、1993年でニューヨークへ移住しました。その同年度に発表した《フラットウォーター》は火山から海へ流れるハワイの火山溶岩の神秘的な風景を描き、発表時に好評を博し、ニューヨークの美術誌の表紙に選出されました。また、1995年にヴェネツィア・ビエンナーレで初めてアジアで絵画部門名誉賞を受賞した芸術家となり、これより、世界の芸術界でも活躍されています。2007年から天然鉱物を研磨してできた膠の蛍光塗料を用いて創作を始め、2017年に外務省から外務大臣表彰とイサム・ノグチ賞を受賞しました。2021年では更に、日本芸術界の貢献を讃え日本天皇から「恩賜賞」を授与されました。
 
千住博「ウォータフォール 2012」千住博「ウォータフォール 2012」, サイズ: 44.1 x 76.3 x 1.2 inches/112 x 194 x 3 cm。Photo: Sundaram Tagore。


千住博氏の最も有名な創作テーマ「滝」。ある公開発表の際に千住博氏は、「私が描きたいのは現実の滝ではなく、地球の滝なのです。」と述べていました。千住博氏の滝は一切の混じり合いを捨て、気勢みなぎる壮大感を表現しており、観る人をその境界へと引き込み、日常の慌ただしさを忘れさせ、心癒されるでしょう。千住博氏は「滝とは何か。」という基本的な定義の問題から実生活に置ける人と自然の関係を探索し始めました。滝を用いて宇宙の雄大さを描き、自己の視点から世界への認知を開拓、促成し、より開放的な心で美しさを感じています。
 

千住博「ウォータフォール 2013」千住博「ウォータフォール 2013」, サイズ: 35.8 x 91.9 x 1.4 inches / 91 x 233.4 x 3.5 cm。Photo: Sundaram Tagore。


千住博氏は芸術において、人と自然界の関係について深い考えと独特な見解を持ち、その自然界への思いと尊重は作品の中に深く溶け込んでいます。千住博氏は「地球こそ滝であり、全人類の生命の源です。これが美という感覚、つまり生きていくことです。私は本能として生命の源である滝に興味があるから描いているのです。私たちはこのような美しい地球で生活をし、こんなにも美しい滝を持つ人類として。私は多くの人とこの感動を分かち合いたいと考えています。」こう述べています。

 

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