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【展覧会】軽井沢千住博美術館 開館10年の軌跡展

長野県 2021/08/15 08:09
軽井沢美術館「十年の軌跡展」取材。 写真/軽井沢千住博美術館撮影。
軽井沢美術館「十年の軌跡展」取材。 写真/軽井沢千住博美術館撮影。
軽井沢千住博美術館
開館10年の軌跡展
軽井沢千住博美術館は今年開館から10年を迎えることを記念して、開館10年の軌跡展を開催します。軽井沢千住博美術館の開館から現在に至るまでの千住博の新旧24点の作品を公開します。展示品の中には1978年に千住博が東京藝術大学在学中に描いた「六月の空」、2011 「ウォーターフォール」、1995年ヴェネツィア・ビエンナーレ名誉賞を受賞した「The Fall」などがあります。その中でも本展では2020年の注目の新作「冬の一隅」を展示します。展示期間は12月25日までとなっております。
 
金屏風図、秋の「晩夏」金屏風図、秋の「晩夏」。写真/軽井沢千住博美術館撮影。

千住博は荘厳な滝や崖の生命美溢れる描写で国際的に認知されている日本画家である。昨今では使い手の少ない伝統的な千数百年の歴史を持つ岩絵具の技法を用いて創作する巨匠であり、抽象的でミニマルな表現を日本画の伝統的な画法と融合させることで生まれる芸術により千住博は大自然への敬意と愛を表現している。開館10年の軌跡展は大きく三つの構成に分けられます。千住博の画業の軌跡、四季4部作、国際舞台の壇上で頭角を現すきっかけとなった「The Fall 」。開館10年の軌跡展では千住博40年の画業と創作の過程を完全に網羅しています、大学時代に描いた人物画から建築を主題としたビルシリーズ、新潟の奥只見を旅したことで生まれた風景画、世界的に著名な滝シリーズ、崖シリーズ、障屏画シリーズ等。本展を通して、ぜひ参観者の皆様に千住博40年の不断なる挑戦と日本画の新たな可能性、千住博の世界観を鑑賞していただきたいです。

 
冬の一隅千住博2020年新作「冬の一隅」。写真/軽井沢千住博美術館撮影。

本展の中でも注目作の本邦初公開-千住博2020年新作「冬の一隅」は千住博の四季4部作の中で冬の美を描いた作品となっております。インタビューの中で千住博氏は以下のように述べました。「冬の一隅のテーマは湖畔です。湖は形にならない四季の全てを映し出します。春には暖かさを、夏には照り返す太陽を、秋には複雑に混ざった、夏の終わりと冬の始まりを語りかけています。そして冬には、このどんよりと曇った冬空の下、寒々とした湖の底には、やがて来る春を待ちわびる数え切れない魚や海藻が、静かに暮らすことを教えてくれます。湖は、見えない自然を飲み込み、悠々としているのです。それはとても神秘的な存在だと私は思います。凍てつくような、主役がどこかに去ってしまったような湖にも、春は必ず巡ってくるのです。その湖に潜む命を、私は人の力を超えた不思議な気配として描きました。四季を通して、私達は、地球という生命の奇跡の上に生きている、と教えられます。それを、昔から詩人は歌に詠み、画家は絵に描いて、この宝物の上に暮らす喜びを表してきました どんなに文明が進んでも、人々がそのことに感動する気持ちは変わりません。私は一人の人間として、多くの方と、この感動を分かち合いたいと思っています。」

 
「フラットウォーター」(左)、「At World’s End」(右)。写真/軽井沢千住博美術館撮影。「フラットウォーター」(左)、「At World’s End」(右)。写真/軽井沢千住博美術館撮影。

また千住博氏はインタビューの中で21世紀の芸術の在りかたと自身の創作の方向性について「21世紀は美を直視する時代になると思う。美しいものをもう一度美しいと感じる時代、美しいものを美しいと大声で言える時代。僕自身、美の持つパワーを伝え続けていきたい」と述べました。開館10年の軌跡展 住所 軽井沢千住博美術館(〒389-0111長野県北佐久郡軽井沢町長倉815) 素晴らしい作品の数々をお見逃しなく、皆様どうぞご臨席下さい。新型コロナウィルスの影響もありますので参観の注意事項等、随時調整中です。詳細はリンクをご確認下さい。(https://www.senju-museum.jp/)

 
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